上京してすぐの夏休みだったかに、盛岡の岩手大学に進学した友人のところに遊びに行ったことがあります。その時「お勧めのお店があるが行くか?」とのことで、連れて行ってもらったお店の看板メニューがキムチ納豆ラーメンでした。今でこそB級グルメだの地元のソウルフードだの、などという言葉がありますが、当時はまだそんな言葉はなく、友人のニヤニヤした顔に半分不信感を抱きつつ注文をしてみたのでした。まあ予想通り予想は裏切られ、意外と美味しく、旅の楽しい思い出のひとつになった訳ですが、いずれまた食べに来よう、と思いつつ早30年近くが過ぎ、はて?そこのお店の名前はなんだったっけ?、とそこの店名が頭の片隅でずっともやもやしておりました。 で先日、当診療所に出入りしているとある業者の担当者が、以前岩手に赴任していたことがあるというので、そのお店のことを知っているかどうか、恐る恐る聞いてみました。すると、「あ、柳屋ですね。知ってますよ。何度も行きましたし、岩手を離れる直前にも当然食べてきましたよ。」とあっさり。何故かは知りませんが、「この担当者、できる」と勝手に感じてしまいました。まあググってしまえばそれで済むんでは、と言ってしまえばそれまでですが、そんな行動を野暮ったく感じてしまうのは自分が昭和世代だからでしょうか。ただ長年のもやもやがすっきり晴れて、気持ちのいいことこの上なく、今後この業者の担当者は、僕の中では、柳家さん、と呼ばれることになるんでしょう。 新型コロナワクチン接種も(それなりにゴタゴタはありますが)意外と順調に進んでいます。無事コロナ禍が過ぎ去って、移動の制限がなくなったら、家族を連れてキムチ納豆ラーメンを食べに行ってみたいなあ、と思案中ですが、たぶん、というかほぼ確実に、怪訝(けげん)な顔をされるんだろうなー。 |